◎災害ボランティアの役割や必要性を学ぶ~いわき市からの報告

ネットワークさくらの講演会「東日本大震災を乗り越えて 災害ボランティアについて考える」は9月14日、金沢市のITビジネスプラザ武蔵で開かれ、メンバーや市民ら約40人が被災者の心に寄り添うボランティアの必要性を学んだ。

最初に、藤弥一司理事長が「東日本大地震から3年半が経ったが、復興はまだまだ道半ば。皆さんと共に新たな気持ちで支援活動を考えていきたい」と挨拶。「災害を学び考え、そして行動しよう」をテーマに、被災地の現状や復興支援活動の現状を通じて、災害ボランティアの在り方と災害に備えるための行動について考えた。

福島県いわき市で学習塾を経営する鈴木貴さんは、デザイナーになるのを夢見る小学4年生の長女を津波で亡くした体験を語った。

鈴木さんは「もし災害に見舞われてしまった時、一番大切なことは何か。それはまず『死なないこと』。皆さん自身、そして大切な家族を死なせないようにしてほしい。時間がどれだけ経過しても失った命への後悔は消えることはない。災害は必ず、どこかで起き続けると思う。きょうのプログラムのような命を救う、救われた命を支える、その方策を考える空間、場所、支援、学びの機会が今後増えていくこと、そういう機会が絶やさず続いていくことを希望している」と述べた。

同じいわき市の社会福祉協議会地域福祉課長の草野淳さんは、震災直後から災害ボランティアの担当として復興支援活動に取り組んできた経験を通じて、被災者の気持ちに寄り添う災害ボランティアの役割を説明した。

その上で草野さんは「支援者は被災者の気持ちを知ることが大切。被災者がなくしたものは、余りにも大きすぎる。支援活動をしたことで『満足』をしてはいけない。笑顔を見るまでは『満足』をしてはいけない。ほんの少し『口元が緩む』でもいい。その人を笑顔にする活動、それが“ボランティア活動”だと思っている」と締めくくった。

最後にパネル討論が行われ、鈴木さん、草野さんの二人に、いわき市平中神谷の山に世界一の桜の名所を作ろうと活動しているボランテアプロジェクト「いわき万本桜」応援部の坂本雅彦さん、ネットワークさくらの柳原吉伸副理事長が加わって、災害ボランティアの役割や課題について意見を交わした。

北陸労働金庫の助成事業として開催された。パネル討論での主な発言は以下の通り。

-災害ボランティアについての助言は?

(草野氏)

笑顔で被災者との会話を大切に。被災地の状況は変化している。必要とされていることも変わる。社会人としてのマナー、モラルは守る。支援に当たっては「何か(必要なことは)ありますか?」と質問するのではなく、「私はこれができる」と自分の強みを伝えてほしい。

(坂本氏)

被災地から「これがほしい」と伝えると物資が集まるのに時間差がある。その品物だけが殺到してあふれるほど集まることもある。情報を十分把握してほしい。

(柳原氏)

ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のフェイスブックやツイッターで(必要とされている物資を)見ても、タイミングを外すと届けられなかったりするので注意が必要。

 

-石川県内で災害が起きれば地元で支援活動をすることになる。身近な「備え」については?

(草野氏)

自分の地域を知り、確認する。自治体が定めた災害時の避難場所や避難者に支給する当面の食料品や飲料水、生活必需品など物資の備蓄先を普段から知っておくことが大切。

(鈴木氏)

防災グッズとして役立つのが、手を洗わずに済むナイロン手袋やキッチン用のラップ。ラップは食事の時に紙皿などの食器に巻いて使えば洗う必要がなくなる。長期の断水に備えて、ミネラルウォーターは箱買いで常に置いておく。

(柳原氏)

いわき市にボランティア活動で入った時に知識がなかったため、ネットで調べたり、現地でいろいろ聞いて覚えていった。最低でも自分の地域の特徴や行政のことなどは普段から知っておき、常に「災害が発生したらどう行動するか」と考えておく。

 

-災害ボランティアにもう一言伝えたいことは?

(草野氏)

災害が起きてからではなく、常に多くを学んで事前に体制を整えておくことが大事。被災地では「「ありがとう」「おはよう」と、言葉でつなぐコミュニケーションが必要。常日頃からそういうことができていれば、自然にボランティアの地域ができあがる。ボランティア活動の拠点となるセンターでは「あれはダメ」「これをしてはダメ」と規制が多いが、いわき市では前向きに取り組めるよう「あれもいい」「これもいい」と、だめ出しをしないようにしている。

(鈴木氏)

被災者は「長い列」。前の方に並んだ人は「元気な人」。列の後ろの方の人は「下を見ながら歩いている(ネガティブな)人」。最後尾でもどこでも構わない。列のどこに並んだ人に自分は声が掛けられるのか。「生きよう」と歩く人の背中を押して上げるのがボランティアだと思う。

(坂本氏)

いわきのボランティアに関して、団体によってはいがみ合いのようなこともあった。何のためにやっているのか、自己満足ではなく「誰のために?」ということを考えてほしい。

 

(藤弥理事長)

-我々「ネットワークさくら」に求めること、望むことは?

(鈴木氏)

ニーズを探して。実際に困っている人はいる。どこで何が起きているかということ、興味を持って知りたいことなどについて情報交換し、話し合いの中で確認することができたら良いのでは。さくらは様々な専門家がいてバリエーションが豊富なので、普段からもっと自分たちとも話す機会が増えたらうれしい。

(草野氏)

 いろいろな団体がある中で、自分の活動ができる団体を作っていくことが大切。今回の催しでも、子どもや若い人向けの研修会など、対象者を分けてもいいのでは。そのために(活動を後押しする)助成金を探していくことも必要。

 

 

□交流サミット「災害ボランティアについて考える」に参加して

・草野淳(いわき市社会福祉協議会)

遠く離れた地、そしてあの大震災から3年半が経過し、人々の記憶が薄れていく中、いわきの復興を想い、考え、願い、祈ってくださっている仲間がいると感じることができた交流サミットでした。

まずは、そのことに感謝を申し上げます。「ありがとうございます」。私自身、このサミットで得られたものは大きかったと受け止めています。

改めて感じたのは、災害は、「いつ、どこで」起こるか、誰にも分からないということ。被災された薄磯地区の鈴木さんの体験談を聞いて、「こんなに辛いことを背負って生きている」と感じたのは、私だけではなかったと思います。もし、自分だったら・・・と考えると、想像もつかないくらい悲しく、切ない時を過ごすことになると思います。

だからこそ、私たちが被災された方々に何ができるかを考えるとき、大切なのは、「もし、自分だったら支援者に何をしてほしいか」を考えることで、より明確な活動内容が見えてくるはずです。

それは、災害に限ってではなく、日常から支援者は要支援者のキモチを理解することで、どんな活動が必要か見えてくるのではないでしょうか。

向こう三軒両隣を今こそ実践するときであり、互いが支援者となるよう、さらなる地域の支え合いを進めていくためには、このようなサミット等(交流会・座談会・講演会)を数多く開催し、理解者を増やすことが必要になり、その中から、参画者(賛同者)を作ることが求められていると思います。

 

・佐々木恭子(いわき万本桜プロジェクト応援部)

私は福島県の隣、茨城県日立市に住んでいます。震災後に福島県いわき市へ災害ボランティアに週末通いました。現在は、震災後「世界一の桜の名所に」を目標に始まった【いわき万本桜プロジェクト】のお手伝いをさせていただいています。

災害ボランティア活動を通して、さくら副理事の柳原さんと知り合いました。そのご縁で今回の講師・パネリストの友人と金沢へ伺い、交流サミット「災害ボランティアについて考える」に参加させていただきました。

初めて知った震災直後のボランティアセンターの話や何度聞いても胸詰まる話、パネルディスカッションでは様々な立場から見た意見を聞くことが出来て、私にとっても充実した内容でした。

今回の訪問で一番強く感じたのは、距離ではないということ。頻繁に東北を訪れることは出来ないかもしれませんが、離れているからこそ出来ることがあると思うのです。

交流サミットの後に懇親会がありました。さくらのみなさんとお話しをさせていただき、こんな遠く離れた石川県で、三年半経った今でも熱い思いを持ち、「東北のチカラになりたい」と活動している人がこんなにいるのだと、驚いたと同時に嬉しく思いました。

私の住む日立市も東北ほどではありませんでしたが、被災した地。家屋の被害や断水、停電、津波…大きな揺れも体験しました。それでも今では関心も薄れ、過去のことと捉えている人が少なくないと常々感じます。

メディアの一方通行の情報ではなく、自分の目、耳で確かめられる「交流」から得られるものは大きく、互いの今後へのヒントが見つけられるはずです。今回の「交流サミットvol.1」を大きな初めの一歩とし、一人でも多くの方が交流を図れるよう、さくらの活動が架け橋となっていただきたいと思います。

今回の有意義な時間、嬉しい出逢いに感謝しています。ありがとうございました。

 

 

 

カテゴリー: 活動報告 | コメントは受け付けていません。

「災害ボランティアについて考える」開催のお知らせ

ネットワークさくらは9月14日(日)、金沢市で「東日本大震災を乗り越えて 災害ボランティアについて考える〜いわき市からの報告」を開催します。

東日本大震災から3年半。私たちは改めて、あの日のことを感じ、将来に向けて我々に課せられた教訓として、これを活かしていくことが求められているのではないでしょうか。
福島県いわき市における災害ボランティア最前線の現状に耳を傾け、災害ボランティアに参加したいと考えている方はもとより、いつか起こり得る災害に備えて、みんなで一緒に考えてみませんか。

●日時:9月14日(日)14:00〜16:30(受付13:30〜)
●会場:ITビジネスプラザ武蔵6階 交流室1
金沢市武蔵町14−31
●定員:80名(入場無料)
●内容
①「震災を乗り越えて」 鈴木貴さん
②「東日本大震災における災害ボランティアの活動と今後の災害ボランティア活動について」 草野淳さん
③ パネルディッカッション「災害ボランティアについて考える」
④ 交流タイム

〔主催〕NPO法人災害支え愛ネットワークさくら
〔後援〕北國新聞社・北陸放送

FacaeBook イベントページ>https://www.facebook.com/events/512675165533388/?ref=4

カテゴリー: 未分類, 活動予定 | コメントは受け付けていません。

「さくら通信第4号」

「さくら通信第4号」を発行致しました。 こちらよりダウンロードできます。 ↓↓

 

 

 

 

カテゴリー: 未分類, 活動報告 | コメントは受け付けていません。